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角膜の構造を知る!

角膜の構造を知る!

角膜は目の入り口にある非常に重要な組織です。
透明な組織で、外部からの光を屈折させます。
水晶体と同様にカメラのレンズの役割を果たしています。

レーシックでは、この角膜を削って屈折矯正するので、
手術を考えていらっしゃる方は、是非このページをご覧ください。

角膜は透明である!

目の構造角膜は、
外部の光を目に通すための透明のレンズです。

実は角膜は血管が通っていません
そのため角膜に酸素と栄養を送るのに、
涙腺から出る涙と毛様体で作られる房水を
利用します。

ところで、涙には
●目の表面を外界から守り,乾燥を防ぐ
●角膜に酸素や栄養を届ける
●目が鮮明な像を結べるように,角膜表面を滑らかに保つ
●バイ菌などの侵入や感染を防ぐ
●ゴミやホコリを洗い流す
などの大切な働きがあります。

感染症など、何らかの原因で角膜が白くにごりったりすると、
光がきれいに通ることが出来なくなるので、像がぼやけ視力低下につながります。

角膜は大きな屈折力があるレンズです!

目に入ってくる光は、
角膜と水晶体で屈折し、黄斑部で焦点を結びます。(正視や軽い遠視の場合)

角膜はわずか520~550µmの厚さしかありませんが、
全屈折量の70~75%も占めており、水晶体は残りの25~30%しかありません。

したがって、水晶体は光の焦点の遠近を微調整を行う程度なので、
角膜の形を削って矯正するレーシックが有効と言えます。

5層の組織から出来ている!

角膜は図のように
5つの層から出来ています。

角膜上皮層

角膜構造

厚さ50µmほどの再生可能な細胞で、
7~10日ほどで
コンタクトレンズなどで傷つくのは
たいていこの部分です。
目が涙で潤っている状態だと、
一晩で傷は修復します。

この上皮層の上を
わずか5µmほどの涙の膜が覆っています。

そのうち約99%が
ムチン
と言われるネバネバの物質で
このネバネバがないと、涙で角膜を覆うことが出来ません。

ムチンなど上皮層にある粘膜の修復・保護を促すのには、
ビタミンAビタミンB2が必要で、牛乳を飲めば手軽に摂取できます。

ボーマン層

上皮層と実質層にはさまれているボーマン層は、
非常に薄い膜で、非常に高密度で腹側なコラーゲン繊維で出来ていますが、
この層は、損傷を受けても再生しません
そのため、レーシック手術でフラップ痕と言われる傷跡が残ります。
また構造がわかっていても、役割は正確には解明されていません。

PRKやエピレーシック、ラゼックなどの表面照射式の手術では、
結果的にボーマン層を取り除くことになりますが、
特に副作用などがないので、問題無いとされています。

角膜実質層

角膜の90%以上は角膜実質層で構成されており、
角膜実質細胞とコラーゲン繊維が整然と並んでいます。
この細胞も修復不可能な再生しない細胞で
レーシックで角膜を削るところは、この実質層になります。

修復不可能ですが、コラーゲン繊維がありますので、
ビタミンCとの相性がいいです。

デスメ層

実質層と内皮細胞を隔てるとても薄い層ですが、
かなり強靭で、角膜の形を維持する役割を果たしています。

このデスメ層が弱いと眼内圧によって角膜が隆起する
円錐角膜という病気になることがあります。

角膜内皮層

角膜の一番奥にあるこの内皮層は
六角形の形をした細胞が規則正しく整列していて、
まるで蜂の巣のような構造をしています。

この細胞は、角膜の実質層に房水を送るためのポンプの役割を果たします。
ただし、非常に多くの酸素を必要とするため、
コンタクトレンズを装着、特にソフトコンタクトの場合は、
装着中は角膜に酸素がなかなか届かず、細胞が死滅してしまいます。

例によってこの細胞も再生しない細胞ですので、
コンタクトを長年装着していると、内皮細胞はとても少なくなります

また、内皮細胞が減ってくると、
ドライアイになりやすい上に、角膜が薄くなっていきます。

そのためレーシックを受けることが出来ないと診断を下される人もいらっしゃいます。

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